2009/04/30

* 花の安曇野めぐり-25- * 春蘭の咲く林にて * (二)

  
  




    春 蘭・・・



    山はずーと変わらない・・
    というより・・ 変わるなんて考えたこともなかったの。


    いつ来ても・・ 
    いつも同じ花が咲き・・ 同じ風が吹いている・・


    私がどんなに変わっても・・
    森や林はビクともしないと思い込んでいた子供のころ。


    どんなに私が年を取っても・・
    何も変わらずいつもそこにあってくれるもの。


    信じて疑いもしなかった子供のころ。




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何十年・・ 何百年の歴史が刻まれた *春 蘭* の 林。

    ある日を境に失われて行った
*春 蘭* の 林。

    最初に持って行きはじめた人は誰? いつ?    

    ありったけの
*春 蘭* を 商品にしてしまったのは誰?   




    私・・ やっぱり・・ そういう人が怖いです。
    だから・・ この場所は書かないことに決めました。 


    それにしても・・
    こんなにかわいいお花を・・ どうして根こそぎ抜いてしまえるんでしょう。


    足の踏み場もないほど咲いていた頃なら・・
    危機感がないのもわかりますが・・
    最後の一本を抜いた人はどういう気持ちだったのでしょう・・・




    それをしなければ今夜のごはんが食べられなかったの?
    それをしなければ子供にごはんを食べさせられなかったの?


    もしそうだったら・・ 
    本当にそんな切実な状況だったら・・
    それは・・ 私なんかが何かを言えることではないと思います。


    でも・・ きっと・・ 違いますね。




    
春蘭は・・ 何の抵抗もできずに売られて行ったんですね。 


    かわいそうすぎます。 痛ましいです。 きっとぼろぼろ泣いていました。





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春 蘭・・・


    長い時間がかかったけれど・・
    ようやくこの林にぽつぽつ咲くようになりました。


    ほんの少し残っていた根が・・
    じっと耐え忍んだ何十年という長い時間を思うと・・
    その健気さに涙が出そうになってしまいます。




    この春蘭を・・ 

    
ほととぎす色の天使・・ と・・ 言った方がいらっしゃいます。

    山の中にひっそりと咲いている姿は本当に天使のよう・・・





    春蘭は・・ 日本の山々の春を彩る大切な財産だと思います。
 

    今度こそ本当に大切にしてあげなければいけない・・ と・・ しみじみ思います。







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