2009/06/14

* ・・・はかな言葉。 -1- 人は流浪うもの。

  
  




    どんな本を読んでも心に響かない。
    どんな音楽を聴いても心に響かない。


    私には、、、 心が、、、 ないのかも知れない。
    私の心は、、、 どこに置き去りにされてしまったのだろう。


    好きな歌もあったし 好きな本もあったけれど、
    それが胸の底の底にまで響いていないのはわかっていた。


    けれど、人と話す時には、
    それなりの受け答えをしなければいけないことも身についていた。


    普通を装う、、、 それは思いのほか辛かった。


    私って どこにいるんだろう。  私って 誰なんだろう。
    生まれたままの自然な私。  そんな私に会ってみたい。


    山育ちで 掘ったばかりのイモみたいな私。
    なのに、、、 心は そこから どんどん離れて行く。


    掘ったばかりのイモでいられれば良かったのに、、、





 
   どこかにいたはずの ありのままの私、、、


    心の底の底に響くものに出会えれば、
    それが 私をそこに 連れ帰ってくれるのかも知れない。


    どこに行けば、、、 誰に会えば、、、
    求めても求めても、、、 探しても探しても、、、 心に響くものに出会えない日々。


    現実の、、、 何にも関心が湧かない。
    見るものすべてが痛ましい。  この世のすべてが痛々しい。


    若かった日、、、
    私は だんだん 目に見えるもの 耳にするものから離れて行った。






    心の在りかがわからない、、、


 
   人は、、、 流浪うもの、、、 そういう存在に違いない。






    ・・・はかな言葉。


    現実感のない私に詩は書けない。

    詩を書いているつもりでいた若かりし頃。

    気づいてみれば、、、

    紡いでいるのは、、、 詩という姿を借りた、、、 はかな言葉だった。




    それは 誰の心にも届くことのない言葉。

    誰をあたためることもない言葉。


    こんな言葉を紡いでも 何の意味もないこともわかっていた。

    ただ、、、
 私の心を探していたら、、、 こんなものが生まれていただけ。





    ・・・はかな言葉。


    幾重かの人格が、、、 いつの間にか紡ぎ出していた言葉。

    自分でもよくわからない、、、 私の影たちに操られていた言葉。






    繻子院縷縷文庫。  水千草。  朱々。  その他数人。。。






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