2009/06/15

* ・・・はかな言葉。 -2- インドへ・・・

   
  



    
    「The Meditation」 という本の巻頭の写真。



    誰の写真なのか判らないのだけれど、もう30年近く私の部屋に貼ってある。

    かつて見た写真の中で 一番 私の心を捉えた写真。



    いつかインドに行くだろう、、、 それまでもそう思っていた。

    インドから中近東への憧れは子供の頃からずーとあった。






    何に??    
    そう、、、 この摩訶不思議な世界に、、、


    インドから中近東、、、
    情報もまだほとんどなかった私の子供の頃、、、
    この摩訶不思議な国に、同じ人間が暮らしているなんて考えられなかった。


    恥ずかしいけれど、、、
    本当のことを言うと、、、 インドも ペルシャも エジプトも 私にはひとつだった。





    地上で、、、 最も、、、 摩訶不思議な場所。 

    神秘に満ちた美しい顔の女性たち、、、 人間のエネルギーの源を思わせる男性たち、、、

    そんな人々が、、、 私の知らない呪文を唱え、、、 私の知らない神様を崇拝する。

    その祈る姿の一途さに憧れていた。  いつかはそこに身を置いてみたかった。

    




    インドは、何から何まで、摩訶不思議なものを鏤めた国だった。


    今から二十数年前、
    当時はまだ カルカッタと呼ばれていた街。  現在のコルカタ。


    その路上に身を置く時、誰もが受けるというカルチャーショック。 
    けれど私には、、、
    その、何もかもがない交ぜになった混沌とした風景が、とても澄んだ清いものに見えた。





    失礼を承知で、正直な気持ちを書かせていただけるなら、、、


    この人たちも人間なのだろうか・・・ と・・・ 思うほど、
    姿や風貌は汚れているのだけれど、、、


 
   人々の姿や面持ちには甘さのかけらもなく、
    その瞳は、、、 切なく、、、 極限の貧困に喘いでいるのだけれど、、、


    かつて見たこともないほどの厳しさなのだけれど、、、



    こんな書き方をしてはいけないのかも知れないけれど、、、
    無責任極まりない、恥ずかしいほどエゴ丸出しの実感なのだけれど、、、


    美しい、、、 本当に美しい、、、 そう思いました。


    泥のような貧困に喘ぐ人々が、、、 美しい、、、
    夢のかけらを持つことすらできない人々が、、、 美しい、、、





    ここには何があるのだろう、、、


    どこからともなく湧き出してくる、、、
    ぎっしり町を埋め尽くす 真っ黒な
無数のギラギラとした瞳 瞳 瞳、、、


    命の限りの力で荷車を引く男の人たちの、、、 
    絶望感、、、 などという言葉もない、、、 目の先一点だけを見つめる瞳、、、


    この瞳も人間の瞳なのだろうか、、、 本当に人間の瞳なのだろうか、、、


    カルカッタの路上に座り込み、、、
    埃にまみれて、、、 
私は、、、 怖さと不思議さに押しつぶされていました。

 





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