霧の八方尾根第3ケルンより
山も山肌も深い霧の向こう・・・
谷ひとつ隔てた手の届きそうな所にあるのに全く見えない。
時折薄らぐ霧の中・・・
前山の稜線が美しいラインを描いて現れては消える。
晴れていたらこの上に・・・ あの・・・ あの・・・ 不帰の嶮、、 (カエラズノケン、、、
二週間前・・・
このあたり一帯は深く沈むような真紅に染まっていた。
その中に・・・
倒れた一本のダケカンバの木だけが純白を浮き上がらせて痛々しかった。
すっかり葉を落とした今・・・
激しく蠢く濃霧に
幻のように浮かんでは消えてゆく情景は
この世のものとは思えない神秘な世界を垣間見せていた。
リフトを降りてここまでゆっくり歩いて一時間半あまり。
ずーと霧の中だった。
白い柔らかな塊が顔に当たる。 わあー アラレだーーー^^
それがぐじゅっと崩れる。 ん? みぞれ??
ふわっと風に乗ってくる。 ああ 雪 雪・・・ ああ わたしの初雪^^
晴れそうにない・・・
こんな山の上で・・・ 舞う雪の中でおにぎりを食べる。
濡れた岩に腰掛けて・・・
昔の私だったら・・・ きっと泣き出していただろうな・・・
(つづく
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