2010/10/26
誰もいないトンネル・・・
山に向かう時
必ず通る古いトンネルは
私の浮き浮きした気持ちに魔のような影を射す
山へ向かうのでなければ逃げて帰りたくなるところだけれど
山からの帰りはいつも夕暮れどき
誰もいないトンネルはこのままずっと
永遠に抜けないのではないかと思えて
ここが闇の地底への入り口のように見えてきてゾーと背筋が冷たくなる
誰も通らない古いトンネルは
赤い光が黒く沈んで胸の動悸を激しくさせる
早く抜けてしまいたいと思いながらもなぜか引きつけられて
悪くないなこのひとり占めなんて思って写真を撮ったりして遊んでみた
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靴音がグワァ~~アアァ~ンと響くと・・・
突如として不思議なおとぎ話が浮かんできた・・・
ひとーつ ふたーつ みぃーつ よぉーつ・・・
みっつくらいの女の子が赤黒い光にぼーと浮かんで・・・
行き先を探しているように数を数えている・・・
懐かしいな切ないな・・・
あのするんとしたおさげ髪の女の子はみっつの私なのかなぁ・・・
カサカサのどんぐり林でどんぐりの実を拾っていたあの子なのかなぁ・・・
山の上の豆畑の藪でトカゲと遊んでいたあの子なのかなぁ・・・
大きなモミジの木に登って蛇に睨まれて転がり落ちたあの子なのかなぁ・・・
あの子の長いトンネルは今もまだ続いているのかなぁ・・・
ひとーつ ふたーつ みぃーつ よぉーつ・・・
声をたてたら引きづ り込まれる・・・
ああそれでもあのどんぐり林に戻りたい・・・
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